痩田筋男痩田筋男

ダイエットの99%続かないといいます。実際わたしもじつに色々なダイエットを試しましたが、ほぼ全滅です。やっかいなのは、多くのケースで、ダイエット終了と同時に、リバウンドを招くことですよね。

せっかく苦しんだのに、ダイエット前よりも体重が増えてしまうのですから、まさに泣きっ面に鉢です。リバウンドというのは、ダイエットによって飢えに飢えた体が、いつもよりたくさん体内に入ってきた食事の栄養を、ここぞとばかり次の飢えに備えて、脂肪にして蓄えることです。

だから、ダイエット前と同じ食事にしただけで、ダイエット前よりも太ってしまうのですよね。違うダイエットするたびに太っていくのでは、やりきれません。

ダイエットの域を脱する

わたしは唯一、糖質制限ダイエットが1年以上続いていますが、いつまで続くかはわかりません。ただし、もし何年も続くのだとしたら、それはもうダイエットというよりは、生活習慣が変わったということでしょう。

それをすることが完全に生活の一部になったら、ダイエットの域を脱して、新しい習慣です。糖質ダイエットでいえば、始めた当初は「ダイエットで炭水化物である主食を食べない人」になりますが、それが何年も続いたら、それはただの「主食を食べない人」になります。

生活習慣の一部にしてしまうこと、それが目指すべき、ダイエットの最終形態ではないでしょうか。

新しい行為は続かない

ある新しい行為を生活習慣にするのは大変です。誰かや何かに影響されたりして始めた新しい行為は、恐らくほとんどは続かないでしょう。メディアや友達から刺激を受けて、よしっ○○を始めよう!と奮起しても、結局は長続きしないのは、誰もが経験があることだと思います。

日記をつけよう、ジョギングをしよう、よく噛んで食べよう、ストイックに生きようなどなど、いったいわたしたちは、何回三日坊主を繰り返したことでしょう。

ましてやそれが、空腹という辛さをともなうダイエットならば、なおらさです。続くほうが普通じゃないです。

続けること

しかし新しい行為を生活習慣にしやすくするコツがあります。「関係付け」です。つまり、これまで長年やってきた生活の行為の中に、新しい行為を、くっつけてしまうのです。

これなら、新しい行為をゼロから生活習慣にするよりも、ずっと簡単です。ダイエットも、普段わたしたちがやっている行為にくっつけてしまうのです。

普段からやっている何かをやりながら、ダイエットにつながる行為(カロリー消費)をしてしまおうというわけです。これを、ながらダイエットと呼びます。

エネルギーの摂取と消費

ダイエットには、摂取エネルギー(食事)を下げる、消費エネルギー(運動)を上げる、の両方面があります。摂取エネルギーを下げるのには、ながらダイエットは向いていないので、ここでは消費エネルギーを上げる、運動によるながらダイエットを考えていきたいと思います。

運動はみんなしていない

みなさんは運動をしているでしょうか。半分以上の人はしてないはずです。実際、厚生労働省の国民健康・栄養調査でも、運動習慣のある人は20代で4割、30代で3割程度です。

30代だと7割近い人が何の運動もしていないのです。そして運動しない理由を見てみると、一番多いのが「面倒だから」です。

2番目が「忙しくて運動をする時間がない」です。ダイエットのためとはいえ、運動を新たに始めるのは、相当ハードルが高そうです。

だからこその、ながらダイエットなのです。移動時間やただ座っている時間をより有効に使えば特別な運動はいらないというのが、ながらダイエットの最大の特長です。

一番シンプルな「ながらダイエット」

一番シンプルな、ながらダイエットは、座ることを立つことに変えることです。授業中や仕事中には難しいですが、座りながらやっていたことを、立ちながらやるだけで、消費カロリーが1.2割はアップします。

例えば北欧ではオフィスで働く多くの人は立って仕事をします。わたしも仕事で北欧の出版社を訪問したとき、普通に座って仕事をしている女性の真横で、机を高くしてイスなしでパソコンに向かって立って仕事をしている女性を見たことがあります。

イケアでは立って仕事をする専用のデスクが、スタンディングデスクと呼ばれ、色々な種類が販売されています。電動式で、ボタン1つで、普通の高さのデスクから、立って仕事をするようの高さに変わる電動スタンディングデスクも、大変な人気のようです。

わざわざ立って仕事をする理由

ダイエット効果があるから、立ってデスクワークをすることが北欧で広まりつつあるのでしょうか。実はそうでもないようです。

座り続ける恐ろしさ

少し前に、ある記事が物議を醸しました。座り続けることは、喫煙と同等の悪影響、という記事がニューズウィークに載ったのです。まとめて見ると、こんな内容です。

添加物だらけの加工肉に喫煙、大気汚染……。これらが健康を害する大きな要因なのは今や常識。ところがここに、日々の生活で当たり前の行為が加わることになった。座ることだ。

平均的な事務仕事の会社員は毎日、7ー10時間以上を椅子に座って過ごす。問題は、科学的根拠に基づいて「寿命を縮める要因」と認められている数々の習慣(トランス脂肪酸の過剰摂取や喫煙など)と同じくらい、座ることが危険だと示す研究が次々と出てきていることだ。

座ることが心臓血管系に悪影響を及ぼすという科学的証拠は、1950年代から存在した。イギリスの研究者たちがロンドンのバス運転手(座る仕事)のグループとバス車掌(立つ仕事)のグループの心臓病罹患率を比較したところ、心臓発作やそのほかの心臓疾患の割合は、運転手が車掌の2倍近く高かった。

米厚生省が職場での健康維持プログラムの影響を調査したところ、立ち机の使用や体を動かすなどの項目が含まれるプログラムを導入した場合、従業員の医療費を削減できたと60%の経営者が回答。約80%は従業員の欠勤が減ったり、生産性が向上したりするなどの成果が見られたという。

他にも全米ベストセラーになった、トム・ラス著の「座らない! 成果を出し続ける人の健康習慣」にも、これでもかと座る弊害が指摘されています。

座り続ける習慣を持つ人は・・・

  • 心臓病による死亡リスクは2倍
  • 致命的な心疾患にかかる確率が64%アップ
  • 冠動脈疾患死亡リスクが18%アップ
  • 6時間座る人は3時間の人に比べて15年以内に死ぬ確率が40%増加
  • WHO(世界保健機関)は、1日10時間以上座っている人は4時間以下の人に比べて病気になるリスクが40%も高くなると発表
  • タバコ1本を吸うことで喫煙者は寿命を11分短くするが、1時間テレビを座って見ていることは、当人の寿命を22分縮めている

などなど、座るのが恐ろしくなるくらいの情報のオンパレードです。いかがですか?立つメリットを並べられるよりも、座り続ける恐ろしさを聞いたほうが、立ちたくなりますよね。

立つだけの「ながらダイエット」

わたしはこれらの情報に接して以来、仕事をするときやテレビを見るときは、できる限り立つようにしています。実際座り続けるよりも、ちょくちょく立ったほうが、足も強くなりますし、また疲れにくくなりました。

長時間立っているのに、疲れにくくなったというのは、逆のような気がしますよね。たぶん、立ち続けることで、足の筋肉だけでなく、立つために使用している腹筋、背筋なども鍛えられているのでしょう。

立つ習慣をつける前よりも、外を歩いたり、列に並んで長時間立つことに対して、疲れにくくなりました。もちろんこの習慣を始めた当初は苦痛でしたが、いまではずっと座っていると、体が座り続けるのを拒否し始め、立ちたくなってしまいます。

さらに消費カロリーも増えているのですから、一石二鳥です。ただ立つだけ。最もシンプルなながらダイエットですが、一番のおすすめです。

立つだけでは物足りない方には

立つだけなんて物足りないという方におススメなのが、踏み台昇降運動です。テレビを見ながらというだけでなく、スマホをいじりながらもできてしまうのです。

しかもジョギングよりも優れた有酸素運動なので、脂肪が燃焼しやすく、ダイエット効果も大いに期待できます。普段運動をしていない人なら15分で適度な汗をかくことができます。

しかもそれほど息は上がらないので、動作中もスマホを見ることは問題ありません。とくに器具は必要なく、家にあるもので適当な台を作ると良いです。最初は低いほどやりやすいです。

その他の、ながらダイエット運動

他にも立っている時につま先たちをしたり、座っているときに足を宙に浮かせたり、立ったり座ったりしているときにドローイング(お腹をひっこめて腹横筋を鍛える)、座るときに膝をぎゅっと閉じたりと、とにかくご自分で工夫していろいろとトライしてみて下さい。

日常の行為にちょっとした負荷を加えるだけで、ながらダイエット運動は良いのです。ほんの少しの負荷なので、そんなに効き目は感じられませんが、チリも積もれば山となります。ずっと続ければ、それなりにちゃんと鍛えられているはずです。

執筆者 痩田筋男について

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