痩田筋男痩田筋男

少し前にベストセラー本の中に異色の作品が入っていました。開脚に関する本です。村上春樹の新作や著名人の作品や映画やドラマの原作本などに混じって、全くの無名の人によるストレッチに関する本が、堂々と年間ベストセラーのトップ10に入っていたのです。

これはかなり異例のことだと思いますが、人々のストレッチへの関心がとても高くなっていることを示す出来事だったと思います。

なぜストレッチにこれほどまでに関心が高まっているのか

1つには、疲労や老いと体の硬さが直結していることを、多くの人が感じ取っていることと、ストレッチとダイエットの関係をほのめかすようなこともチラホラ聞かれるからだと思います。

では実際、ストレッチにはどんな効果があるのでしょうか。また本当にダイエット効果はあるのでしょうか。

現代の生活は体を固くする

現代のわたしたちは、学校でもオフィスでも、同じ姿勢(主に座りっぱなしか、立ちっぱなし)でいることが多くなります。

長時間の姿勢維持のため、筋肉が硬直し、リンパや血流が滞ってしまっています。すると栄養と酸素が体のすみずみまで行き渡らず、老廃物や疲労物質が、体内に溜まってしまい、コリや疲れを発生させます。

女性に悩みの肩こりなどはその例です。滞った血流を流すために、心臓はより強い力で血を送らなければならないので、心臓や血管の負担になるばかりではなく、冷え性の要因になったり、疲れやすい体になったりする可能性もあります。

体が固いデメリット

長時間の姿勢維持のために、常に一部の筋肉ばかり使うために、他の使われるべき筋肉が衰え、代謝が悪くなって、太りやすい体になる要因となります。

体のあちこちが固くなるわけですから、余計に運動がおっくうになり、柔軟性の低さゆえに関節にも負担をかけやすく、関節の可動域も狭くなり、運動不足に拍車をかける悪循環となります。

もちろん体が固いと、運動における怪我のリスクもぐっと高まります。体が固い人と柔らかい人をじっと観察すると、固い人のほうが、柔らかい人より、活動的でない傾向があるようです。

体が固い人は、筋肉が充分に伸びにくくなっており、関節への負担も感じやすいので、のびのびとした動きがやりにくくなり、動きがにぶくなり、体を動かすことがどんどん億劫になってくるのです。

逆に柔らかい人は、筋肉はのびのびと伸びますし、関節の可動域も広く、より動きやすい体を有しているのです。体が固いデメリットは、このようにたくさんあります。

ストレッチで体に起こっていること

それをストレッチで解消しようというわけですが、ストレッチすると体に何が起こるのでしょうか。ストレッチには、固くなった体の筋肉を柔らかくして、体のバランスを正常に戻すという効能があります。

その結果、流れが悪かった血流が良くなり、栄養と酸素が体全体により良く回るようになり、筋肉ポンプ機能により老廃物や疲労物質を体外へ押し流していきます。

そうすると基礎代謝が上がりやすくなるので、普段の消費カロリーが増え、痩せやすい体になることが期待できます。

ストレッチにダイエットの直接的な効果は見込めませんが、体の調子がよくなり基礎代謝が上がることで、ダイエットを間接的に期待できる、といったところでしょうか。

しかしダイエット以外にもメリットはたくさんありますので、1つ1つ上げていきましょう

体の疲労を知るバロメーターになる

同じストレッチをずっと繰り返していると、調子が良い時と悪い時の差が結構あることに気がつくと思います。調子が良いときは、面白いように体が曲がるのに、逆に悪い時は痛みを感じることすらあります。

わたしの経験からすると、ストレッチで体の固さを感じるときは、体の調子が悪いときでもあります。

ですからストレッチをやっていて、今日はやけに曲がらないな、やけに痛さを感じるな、というときは自覚していなくても、体の調子が悪い可能性が高いので、自重するようにしています。

性行為への好影響

ご存知の通り、性行為は股関節を広げる動作が多々あります。これは女性も男性もどちらもそうです。年齢を重ねるに従って、性行為が苦痛になるのは、股関節の固さが要因になっていることもあるようです。

はやい人は20代の頃からすでに股関節が固くなってくるようです。快楽を求めるはずが、関節の固さのせいで痛さをともなうようなことがあれば、楽しみは半減してしまいます。

わたしのまわりにも、久しぶりにエッチしたら、股関節が痛くなって困ったという人も実際にいました。特に股関節は老いがまっさきに現れる場所なので一刻もはやく、ストレッチを始めることをおすすめします。

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では実際にストレッチをしてみましょう。

ストレッチで気をつける点

ストレッチで気をつけたいのは、ゆるくてもいいので、継続させることです。なぜなら、ストレッチを止めた途端に、すぐに体が固くなるからです。

長期間さぼると、以前と変わらない固さにすっかり戻ってしまい、取り戻すにはそれなりに歳月が必要になります。ですから忙しいときでも、手抜きでもよいですから、とりあえず隙を見つけてストレッチすることをおすすめします。

ストレッチの実践

ではストレッチを実践してみましょう。継続しやすいように、1分で、立ちながらできるものを選びました。

上半身のストレッチ 所要時間20秒

  1. まずは指を組んで、手の平を上にして、両腕を思いっきり上に伸ばしましょう。肩と腕のストレッチです。
  2. そのまま指を組んだまま、両手を前に伸ばします。体は前に傾け、背中を伸ばします。背中のストレッチです。
  3. 腕は上に伸ばしたまま、組んだ指をはずして、右手で左腕のひじを後ろに押します。腕の裏側のストレッチです。
  4. 再び手を組み頭の後ろに持っていって、頭を押して、首を前にまげます。首のストレッチです。
  5. 左手で右手首をつかみ、ひっぱります。そのまま体を左に旋回させ、ひっぱり続けます。反対もやります。腰のストレッチです。

これで上半身のストレッチは終わりです。20秒で終わります。

下半身のストレッチ 所要時間15秒

下半身にうつります。

  1. 立ちながら膝を曲げて手で足を後ろでつかみ、太ももを伸ばします。
  2. アキレス腱を伸ばす動作で、アキレス腱と太ももの裏側を伸ばしましょう。
  3. 最後に前屈と屈伸運動を1回ずつ。

15秒で終わります。

股関節のストレッチ 所要時間30秒

そして個人的には最も重要だと思われる、股関節のストレッチです。床でじっくりやるのが一番良いですが、1分以内で、立ったままとなると、おすすめは以下の2つです。

  1. 足を肩幅の倍以上開きます。そして徐々に腰を下ろしていきます。上体はなるだけまっすぐのままです。するとちょうどお相撲さんがしこを踏み終わったときの姿勢になります。ちゃんと正しければ、股関節が痛くなるはずです。姿勢をキープするためにも、手はひざにおいて支えたらよいです。この「股関節が痛い状態」を10秒キープしてください。
  2. いわゆる「しこを踏む」です。普通に立ちます。片足を真横に、蹴りだし、限界まで上げます。そして足が戻ってくるのと同時に、腰を下げ、1の状態にします。またすぐに腰を上げ、反対側の足を同じように蹴り上げ、戻るの際に同様に1の状態にします。これを10回繰り返します。

これだと、足を蹴り上げたときと、腰を下ろしたときの両方で、股関節を伸ばすことが出来ます。やっていただくとわかりますが、かなり股関節に効き、また体がぽかぽか温まってきます。これは元SMAPの草薙さんが、寒いロケ地などでよくやっているそうで、わたしも人目がないときは、やったことがあります。

たしかにほんの25秒しかかからないのに、軽く息も上がり、ぽかぽかと温まります。30秒以内で立ちながらできる股関節ストレッチとしては、かなり良いです。

ストレッチをやるべきタイミング

体が温まっているときは、筋肉も関節もやわらかくなっているので、ストレッチには最適なタイミングです。わたしはジムでトレーニング終了後のシャワー前に、ストレッチをします。

以前はトレーニングを始める前にストレッチをしていましたが、やはり体が温まった状態の方が、ストレッチが楽です。またお風呂のあとも、体がとても柔らかくなっていますから、大変楽にストレッチができます。

ただし上に上げたストレッチは上半身、下半身、股関節と全部あわせても1分程度で、しかも立ちながらできるので、いつでもどこでもできるはずです。ぜひ日々の生活の中に取り入れてみてください。

体が柔らかくなることで色々と利点を実感できたら、ヨガなどもおススメです。猫のポーズはわたしもストレッチの中に取り入れています。Youtubeでヨガもストレッチも色々な方法が見られますので、好きなのをピックアップして、どんどん種目を増やしていくのも良いと思います。

とくに股関節などは、柔らかくなると、普段の何気ない動作でも良い効果が実感できるので、もっとやりたい方は、床にマットをしいて、じっくりと取り組む価値はあると思います。わたしも股関節のストレッチはとても重要だと感じていますから、ストレッチの中でも一番時間を費やしています。

執筆者 痩田筋男について

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