ボクササイズって何?

簡単にいうと、ビリーザブートキャンプのように、音楽にのって体を激しめに動かす体操に、ボクシングの動作を取り入れた運動です。ボクシングのように攻撃を目的とせず、パンチはあくまで体を動かす目的で繰り出します。

音楽をかけない場合もありますし、サンドバックを叩いたりして攻撃力を鍛えることもありますし、本格的なボクシングの姿勢やパンチの軌道やステップなどにこだわる内容もあります。

ボクシングジムでプロボクサーが教えている場合もありますし、ヨガスタジオなどで開催していることもあります。やり方も内容も、教える側によって、本当にバラバラですね。

どんな内容でも、ボクササイズは、息が上がらないように調整すれば、体全体を使う、非常に優秀な有酸素運動です。自宅でもできるように、それぞれのパンチのコツを伝えましょう。

基本姿勢

・右利きの方は、左足を前、右足を後ろ、左肩が前、右肩が後ろです。体は相手に正面は向けず、斜めにします。そうすることで、少しでも、相手にとっての的を狭くします。

・拳を上げ、脇をしめ、顎を引いて、顎の両側を拳で常にガードします。顎は急所の1つで、ボクシング用語で英語のカタカタ読みのチンと呼ばれ、ここを叩かれると、弱いパンチでもダウンしてしまいます。ためしに、ご自分の顎を、軽く横に拳で叩いてみてください。ものすごく弱くパンチしたのに、クラっときませんか。これは脳が揺れたためです。顎を叩くと、脳が揺らされますから、簡単にノックダウンされてしまいます。ボクシングにとって、顎は最大の急所ですから、常に拳は顎を守る姿勢を保ってください。脇を締める理由は、内臓を守るためです。脇が開いていると、肘と体の間から、内臓を狙い打ちされます。特に肝臓は狙われて殴られると、プロボクサーですら、頭でもないのに、倒れてしまうほどの激痛が走ります。肝臓を狙いうちしたパンチは、レバーブローといいます。右手でパンチをうつときは、左手で顎と内臓を防御、左手でパンチをうつときは、右手でそれらを防御することを忘れないでください。パンチをすると忘れがちですが、とても大切なことです。攻撃の際も、常に防御は必要です。

・左足はベタ足。後ろにある右足は、ベタ足ではなく、かかとは床につけないでください。前後左右、どちらでもすぐに動ける体勢を保って下さい。

・サウスポーの方は、左右逆になります。

左ジャブの打ち方

・前側にある、左肩と左腕をリラックスしてください

・拳は強くにぎらないでください。腕が固まり、パンチが遅くなります。手首も柔らかくしておいてください。

・腕は、拳の上の線と、腕の上の線と、一直線になるようにしてください。ですから、手首は曲げすぎず、反らしすぎずです。これはジャブでもストレートでもアッパーでもフックでも、どのパンチでも同じです。手首がちょうどいい具合になっていないと、パンチが相手に当たった瞬間に、手首をくじくことになります。そうすると、その手を使ったパンチは、一切うてなくなります。ボクシングに限らず、すべての打撃系の格闘技に共通していることです。プロボクサーのファイティングポーズ写真を見ると、きれいな一直線になっていることがわかるでしょう。

・顎を守っている高さのまま、最短距離で、左の拳を前に出します。相手の顔を攻撃目標とします。普通ボディーにはジャブは出しません。手を伸ばした状態、要するに相手の顔に当たったと仮定した瞬間、拳を強めに握ってください。固い拳だと、相手へのダメージが増します。

・拳の中でも、中指の拳が中心で目標に当たるようにしてください。小指の拳を当てると手首や拳自体を怪我しやすいです。これも、すべての打撃系の格闘技共通です。

・足も腰も使いません。動くのは、左手のみです。

・出したのと同軌道と同速度で、拳をもとの顎を守る位置まで戻して下さい。

・ジャブの目的は、相手を威嚇することと、相手との距離を測ることです。倒す目的のパンチではありませんから、強さよりも、速さを重視してください。ノーモーションで繰り出すと、相手もよけにくくなりますから、ジャブを出す前に、肩を動かしたり、肘を動かしたりしないようにすると良いです。ジャブで相手はダメージをさほど受けませんから、すぐに反撃にそなえるべく、急いで防御に戻る必要もありますから、ジャブは拳を戻すスピードも大切です。うったときと同じスピードで、拳を顎の防御に戻して下さい。

・ジャブは左のみです(サウスポーの人なら右のみ)。後ろに下がった右手をジャブに使うと、リーチが短くなるからです。右のジャブが当たる距離に相手がいるということは、相手が、倒せるパンチが当たる範囲内にいるということですから、倒せないジャブを悠長に出す暇はありません。それは同時に、相手のパンチも当たる位置に自分がいるということでもあります。

右ストレートの打ち方

・ジャブで相手との距離を測ったら、倒すパンチ、ストレートを繰り出します。ジャブを一発打ったあとでストレートを一発繰り出すのは、ワン・ツーといい、ボクシングの最も一般的な攻撃です。ワンツーパンチともいいます。基本中の基本の攻撃ですが、決まればダウンをとれる攻撃です。世界戦でも多用されます。ボクシングの世界戦をテレビで見てみると、きれいにワンツーが決まったと、解説者が何度となく叫ぶのを聞くことになると思います。

・前述と全く同じ要領で、左ジャブを繰り出します。

・左拳が顎の定位置に戻るほんの少し前に、右手で相手の顔を狙ったパンチを繰り出します。

・左ジャブと右ストレートの大きな違いは、左ジャブは手だけを使った、いわゆる手打ちであるパンチに対して、右ストレートは、足・腰・背中・肩・腕という体全体を使ったパンチであることです。

・右ストレートの起点は、右足の親指の付け根辺りです。ここは、瞬発力を使う運動なら、必ず使う箇所です。剣道でも、陸上短距離でも、バスケットボールでも、瞬間的な前後左右への体の移動には、足の親指の付け根あたりで、体全体を押すことが、動作の第一歩になります。スポーツをやった人で、ここを意識したことのない人はたぶんいないでしょう。ボクシングも同じです。右ストレートの第一歩は、右足の親指の付け根辺りで、体を前に押し出すことからはじまります。

・右親指の付け根辺りで体を前に押すのとほぼ同時に、腰を、上からみて時計回りと反対に、わずかに高速回転させます。

・すると、自然と右肩が前に出るはずです。更に背中の筋肉を使って、その動きを強めます。

・腕と拳は、足の裏・腰・背中が作り出した、その一連の流れにのって、飛んでいく感じです。イメージでいえば、全身を使って行う槍投げで、右腕は投げられる槍のような感じです。よく、体重が乗ったストレートだとほめ言葉としていわれますが、右ストレートというのはまさに、体中のパーツをうまく一方向にまとめて爆発させる、パンチなのです。決して、腕の力でパンチするのではないのです。ですから、プロのパンチをシャドーボクシングなどで見ると、腕に力が入っているわけではないので、派手で強そうには見えません。しかし実際には、体中の筋肉が一点集中して砲火されるわけですから、とんでもない威力を持っています。だからこそ、屈強な男たちが、一発のパンチでも倒れてしまうのです。

・手首のことは前述したとおりですが、右ストレートを、サンドバッグなどに打つ際には、特に気をつけたほうが良いです。右ストレートは強力がゆえに、少しでも手首が正しくない形になっていると、簡単に手首を怪我します。

フックの打ち方

・フックというのは、横から打つパンチです。相手の側面に当たります。

・ボクシングの姿勢をします。

・いったん、上から見て、時計と反対方向に、体が相手の正面に向くくらいまで、体をよじります。フックを打つ前の「ため」を作るためです。

・体を戻す力で、左手を回してパンチをします。体全体の動きに、パンチを乗っけるのは、ストレートと同様です。腕の力で打ちません。気をつけるのは、体全体の動きがそれないように、肩・肘・拳の高さをそろえることです。

・拳は、ジャブやストレートと違い、横になっており、掌が自分に向いた形になります。

・ひじの曲げ具合を変えることで、リーチを調整します。ひじをたくさん曲げれば、リーチが短くなりますし、ひじを伸ばし目にすればリーチが伸びます。

・どのパンチでも同様ですが、パンチをしていない手は、常に顎と内臓を守ってください。

痩田筋男痩田筋男

いかがですか?たった3つのパンチですが、全身を使うことがよくわかったと思います。慣れたら、アッパー、ボディーブロー、ダッキングなど、追加していってください。

おすすめは、アップ系の音楽を流して、ケーブルテレビやネットでボクシングの試合を音声ミュート状態で見ながらの、ボクササイズです。体が自然に動いてくれますよ。

執筆者 痩田筋男について