痩田筋男痩田筋男

会話の中で基礎代謝たる言葉が良くでてきますが、意外とおぼろげにわかったつもりで、流している人がいるようです。

ましてやそれが、ダイエットと深く関わっていることを、整然と説明できる方は、じつは多くはないのではないでしょうか。ここでは知っていることが当たり前となっている基礎代謝の基本知識と、それがどうやってダイエットに結びついていくのか、じっくり説明したいと思います。

基礎代謝とは何か

寝ていても、ぼけっと座っていても、使っているエネルギー(カロリー)です。わたしたちの体は、眠っていても、フル稼働しています。

呼吸をするために大きな横隔膜が上下運動をしていますし、血液をつま先から指先まで送り出すために心臓はポンプ運動を1秒たりとも止めませんし、身体中の肌は常に新陳代謝が行われていますし、無駄毛も含めてそこらの毛穴ではせっせと毛を製造し、20本の指先では爪も伸び続けています。

お腹の中には何らかの食べ物が常にありますから、胃も腸も24時間365日、休みナシ、残業ありありで、働きまくっています。脳だって寝ていても記憶の整理(その過程で夢を見るといいます)や体中の生命機能の管理など、休むことなく働いています。

これらの活動はすべて、当たり前ですが、エネルギーを使います。このエネルギーのことを、基礎代謝といいます。

基礎代謝ランキング

基礎代謝で消費エネルギーの多い人体の部位ランキングは以下です。

  • 1位|肝臓
  • 2位同着|脳、筋肉
  • 4位|腎臓
  • 5位|心臓

脳と筋肉は同じくらいの消費量ですが、一番多いのは、肝臓です。肝臓は沈黙の臓器といいますが、エネルギー消費から見ると、人体におけるもっとも多忙な働き者といえます。

肝臓は何千という酵素を使いこなして、500以上の化学反応を起こす、現代の最近技術でも、同じ機能をする設備を作れないといわれる、超高性能な内臓です。

消化液を作る、栄養を貯めたり変えたりする、解毒する、この3つが主な働きです。基礎代謝のうち4分の一が、この肝臓によって使われます。

次は、脳と筋肉です。脳は物理的に動かないのに、エネルギーの2割を消費することは、耳にされたことがあると思います。筋肉も同量を消費しますが、後述します。

基礎代謝の高低

大きい人の方が、その大きな体を運営するために、より多くのエネルギーを使います。象という大きな体を運営するためのエネルギーが、小さなねずみの体を運営するよりも、ずっと多いことは、想像に難しくありません。

これを、象の方がねずみより、基礎代謝が高いといいます。人間もこれと同じで、一般的には、体が大きくて重い人ほど、基礎代謝が高くなります。

基礎代謝は、高い方がいいのか、低いほうがいいのか

しかし同じくらいの身長と体型の人でも、基礎代謝に大きく差がでることがあります。性別、年齢、筋肉量、です。このあたりは後述しますが、基礎代謝は、高い方がいいのか、低いほうがいいのか、どっちなのかをまず考えてみます。

まず、飢餓地域などにおける生命維持という点では、基礎代謝は低いほうが良いです。エネルギー消費がより少ないわけですから、より長持ちします。

しかしわたしたちの生活ではいかがでしょう。基礎代謝が低いとエネルギー消費が少ないわけで、残った余計なエネルギーはすべて排泄物として体の外に出て行ってくれれば良いのですが、そうは問屋が卸さないのです。

体が脂肪としてたくわえてしまうのです。人類は誕生してから99.99%が飢餓との闘いであったわけで、現代のように捨てるほど食べ物があるという状態に、わたしたちの体はなっていないのです。

いずれくるであろう(と勝手に体が思っている)飢餓にそなえて、使わないエネルギーは、大事に脂肪として保管しておくように、人体がデザインされているのです。

基礎代謝が低いということは、より脂肪をためやすい体ということです。

基礎代謝が高い人

では反対に、基礎代謝が高い人はどうでしょう。まったく同じものを食べても飲んでも、肝臓、脳、心臓、腎臓その他の部位が、より多くのエネルギーとして使ってくれるので、脂肪としてたくわえられる分が、基礎代謝が低い人よりも、少なくなるのです。要するに、太りにくい体質なのです。

  • 基礎代謝が低い=太りやすい
  • 基礎代謝が高い=痩せやすい

このような理解でよいと思います。

こうなると、基礎代謝はぜひ高くしたいですよね。何が基礎代謝の高い低いの差をつくっているのかを見ていきましょう。まずは本人の努力ではどうしようもない要素から。

  • 身長|これはどうしようもないですね。
  • 性別|これもどうしようもありません。

参考までに、男性の方が基礎代謝量は多いです。男性の方が体が大きいですし、彼らが大食いなのは、これで納得(?)

基礎代謝と年齢

年齢を重ねれば重ねるほど、基礎代謝は低くなります。若い人はまだ体験していませんが、20代後半以降の人は、わかると思います。若いときと全く同じ活動と食事をしているのに太るのは、基礎代謝が低くなってきているからです。

ですから同じ体重を維持したければ、食事だけでも30近くになってきたら、年を重ねるごとに減らしていかないといかないのです。20代の人と、40代の人が、同じ定食を食べれば、40代がぷくぷく太っていくのは当たり前です。

年齢を重ねると基礎代謝が低くなり、良い意味でいうと省エネ体質になります。例えば、中年の人は、外の温度変化に敏感で、寒くなるとすぐに防寒したくなります(おばさんが、子供にやたら、何かを羽織らせたがるのを見たことがありませんか)。

あれは体温維持のために使っているエネルギー消費が少ないため、温度変化に対応できないからです。逆に若者はへっちゃらだったりします。若者は大量に体温維持のためのエネルギーを使っているので、外気の温度変化にも平気です。

若い頃にエネルギーがありあまっているのは、実際にエネルギーを大量に使って生きているからです。

筋肉と基礎代謝

ではここからは、本人の努力で何とかできる、基礎代謝を高める要素を探ります。基礎代謝が高いのは、より大きくてより重い人だといいました。身長はどうにもなりません。

重くなればいいのなら、太ればいいのでしょうが、やせるために基礎代謝を上げたいので、太ってしまっては意味がありません。では脂肪でもなく身長でもなく、体を大きく重くすることはできるのでしょうか。

それが筋肉です。筋トレをすると、筋肉が数キロ増えます。むきむきマッチョではありません。もともと筋肉は、平均的な成人男性なら、20キロ以上、女性でも15キロはあるのです。

それが1,2割程度増えても筋肉質にはなりません。むきむきマッチョな人は、筋肉だけで50キロという人もざらです。

局地的に一箇所だけを重点して筋トレするなら別ですが、普通にトレーニングをすれば、外見からは見えない、太ももや胸や腕に、うっすら筋肉がつくだけで、かなり体は重くなります(体重は増えても、体脂肪は減りますし、スリムに見えるので、ご安心を)。そして基礎代謝が上がるのです。

前述のように、基礎代謝の中で最もエネルギーを使う2位が、筋肉でした。もとから体についている10キロ以上ある筋肉は、寝ていても大量にカロリー(エネルギー)を消費してくれます。

それを少し増やすだけでも、基礎代謝をかなり上げてくれるはずです。

おすすめの筋肉トレーニング

ベストはジムに行って専門トレーナーに見てもらうことですが、いきなりそれではハードルが高すぎますよね。ここでは自宅でできる、基礎代謝を上げるための簡単な筋肉トレーニングを紹介します。

それはずばり、スクワットです。おすすめする理由は以下です。

  • ヒップアップ
  • 下半身が引きしまる
  • テレビを見ながらできる
  • 短時間で終わる
  • 初心者から上級者までカバーする
  • 歩いたり動き回るのが楽になる
  • 器具がいらない
  • 姿勢が良くなる
  • 腹筋もきたえられる

太ももの筋肉が主に鍛えられますが、太ももの筋肉は大腿四頭筋といわれ、非常に大きな筋肉で、しかも豊かな脂肪に覆われているので、増量しても目立ちにくい部分です。

次に鍛えられるのが、大臀筋、いわゆるお尻の筋肉ですが、スクワットを続けると、ぷるっとした形に変わっていきます。

またスクワットを背筋を伸ばした正しい姿勢で行うと、姿勢維持の背中の筋肉(脊柱起立筋)が強くなりますので、普段の生活でも背筋が伸びてきます。同時に姿勢を保つために腹筋も鍛えられます。

スクワットを実践してみましょう

  • 普通に立ちます
  • お腹は締めて、胸を張り、背筋を伸ばします
  • その姿勢を保ちながら、膝を曲げながら、腰を下ろしていきます
  • 太ももと床が平行になるまで曲げます
  • 姿勢を変えないで、膝を伸ばします

コツは、一連の動作を、ゆっくりやること。下に行くときも上に戻るときも、背筋を伸ばして、上体がなるだけ前にかがまないこと(両手を前に伸ばしていくと、前かがみになるのを防げます)。

膝を曲げるときに、お尻を後ろにツンと張ること。お尻が下に下がるのではなく、斜め後ろに下がること。

そうしないと、ただの膝曲げ運動になってしまいますので、効果は全然ありません。初めての人は、正しい姿勢だと、3回もできないはずです。

正しい姿勢であれば、太ももと背中がきついのを感じるはずです。スクワットで検索すれば動画はたくさんでてきますので、スマホで自撮りして、比較するとよいかもしれません。

執筆者 痩田筋男について