痩田筋男痩田筋男

懸垂をしたことはありますか?きっと体育の授業のとき、鉄棒でやったことがあると思います。男子でもたいていは5回が限度、女子は1回もできない子がほとんどだったと思います。

体操着でワイワイやっていた頃の、甘くて切ない子ども時代を思い出しちゃいますね。

懸垂マシン

懸垂マシンをご存知でしょうか。一見すると洋服掛けのようですが、横向きの棒をつかんで、懸垂するための、器具です。器具といっても、洋服掛けと同じように、鉄パイプの組み合わせだけで、モーターも可動部分もありません。大変地味なトレーニング器具です。

懸垂で使う筋肉

普通の懸垂を正しいフォームでやると、背中が主に鍛えられます。副次的には、握力や腕の筋肉も鍛えられます。逆手で懸垂をすると、腕の筋肉が主に鍛えられます。これらを鍛えると基礎代謝が上がりますから、ダイエット効果が期待できます。

正しいフォーム

手の広さはあまり重要ではないので、各自やりやすい位置を見つけてください。それよりも大事なのは、常に肩甲骨を寄せることです。体を腕で持ち上げるのではなく、背中で棒を引き、胸に手繰り寄せるイメージです。初めの頃は、どうしても腕の力で体を持ち上げようとするので、懸垂で鍛えられる、広背筋と僧帽筋を効かせることが、正直困難です。

ですからその際は、高さを調節して、足がつく状態にしてからやってみてください。背中を使う感覚がわかったら、高さを上げて、本当の懸垂にうつってください。これをやらないで、いきなり懸垂から始めると、回数が伸びても、正しいフォームにならない可能性が高いので、努力が無駄になってしまいます。面倒ですが、正しいフォームを身につけるというのは、筋トレの基本ですから、この過程は怠らないようにしてください。

いきなり懸垂マシンはハードルが高い

いきなり懸垂マシンを買っての懸垂はハードルが高いかもしれません。まずはジムなどを利用して、感覚をつかむのも良いでしょう。おススメの種目は、ラットプルダウンです。

座って、ぶら下がっている棒を、両手で下げる動作のマシンです。これは懸垂と違って、座ったままで体は動きませんが、その分軽い負荷でもやることができ、どちらも腕を使って広背筋を鍛えるという点では同じです。

ラットプルダウンで正しいフォームを

いきなり懸垂だと、正しいフォームを身につけるのはとても難しいです。懸垂マシンを足をつけながら懸垂すると、負荷がほとんどかからないので、正しいフォームが身につきますが、足を離した途端、ものすごい負荷(体の重さ)がかかりますから、正しいフォームが飛んでしまいます。中間の負荷が、懸垂マシンでは不可能なのです。よって、ラットプルダウンをやってみましょう

実践

  • ウェイトを非常に軽めにセットしてください
  • マシンに座ります
  • 両手の幅は肩幅の1.5倍くらいにします
  • 順手でバーをつかみます
  • 肩甲骨を寄せて、胸を張り、背筋も伸ばし、視線は少し上に定めます
  • その体勢のまま、肩甲骨を寄せるようにして、バーを引きます
  • バーを胸の上前部と首の中間辺りまで引きます
  • その後、ゆっくり元に戻します

これを繰り返します。あくまで、広背筋に効かせる感覚をつかむのがメインなので、そのことを念頭に、ウェイトと回数は自分で設定してください。

コツは、腕ではなく、背中でバーを引き寄せること。正直いって、とてもこれは難しいです。肩甲骨を寄せていればいいやと思われるかもしれませんが、甘いです。

肩甲骨を寄せながらでも、腕の力でバーを引く事は可能です。ですから、軽いウェイトから始めて、広背筋の感覚をつかんでから、徐々に重量を上げていって下さい。反動をつけないように気をつけてください。

ウェイトが重くなると、どうしても反動を利用したくなりますが、負荷が逃げるので、ご法度です。

バーを強く握りすぎても、ターゲット以外の筋肉に負荷が逃げてしまいます。あくまで引っ掛ける程度にしてください。握力がなくてそれが難しい場合は、リストストラップを購入してください。これなら、握力をあまり使わないで、バーを引き寄せることができます。

自分の体重に近いウェイトができるようになったら、懸垂マシンで足をつけない懸垂を試してください。

懸垂がキツイ方は、ぶら下がっているだけでも効果あり

女性はもちろんのこと、男性でも懸垂は年を重ねるごとに難しくなってきます。子供のときと比べて、筋力は上がっていますが、それ以上に体重の増加が激しいからです。

鍛えていない人以外は、子供の頃にできなかったのなら、今でもできないでしょうし、子供の頃にできても、それ以上の回数を今することは難しいでしょう。しかし、懸垂マシンにぶらさがっているだけで、効果があるのです。

ぶら下がり健康法

ぶら下がり健康法を聞いたことがあるでしょうか。いまから40年ほど前に、大ブームが起こったので、団塊の世代の方に聞くと、ほぼ100%この言葉を知っていると思います。それほど当時は一世風靡した健康法でした。

現在の糖質制限ダイエット以上だったといえます。なにせ、当時はテレビショッピングで、ぶら下がり健康法器具が、一日何十万台も売れたこともあったといいます。現在では信じられない数量です。

高度成長期だったとはいえ、とんでもない数のぶら下がり健康法器具が、日本各地に届けられたのです。

体が伸びるという快感

わたしたちの体は、常に重力によって、上から押さえつけられています。一見重さがない空気ですが、じつは1メートル四方の箱の中の空気は、1キロにもなります。大きめのダンボールが空でも、その中の空気だけで、1キロもするのです。もちろん体重計も含めてわたしたちは空気の重さの中で生きる前提ですから、体重計で空気の重さを計ることはできませんし、わたしたちも空気の重さを感じることがありません。

魚がおそらく水の重さを感じないように。ともあれ、わたしたちは、寝ている7―8時間以外の、15-16時間を、頭から下に押さえつけられてすごしているのです。ですから、逆立ちをすると、とても気持ちよく感じるのは、それが反対になるからです。

しかし逆立ちはとても大変です。そこでぶら下がりの出番です。普段上から押さえつけられている、背骨をはじめ、あらゆる関節や筋肉やリンパ腺が、ぶらさがっているときは、開放されるのです。最近ぶら下がったことのない人は、公園でもどこでもいいので、ぶら下がってみて下さい。

特に、脇や背骨や腰辺りが、とても気持ち良いことだと思います。これは背伸びをしたときと、全く違う感覚です。座っていないのに足が浮くのも、とても気持ちが良いです。普段足に溜まっているものが、すーっと出て行く感じがします。これは数秒ぶらさがるだけで体験できるので、ぜひやってみてください。

背骨が伸びる

実際にぶらさがってみて背骨の伸びが一番感じられた方も多いでしょう。背骨はご存知の通り、円形の、大根を太めに輪切りをしたような形の骨の集まりでできています。それらが24個縦に重なって背骨が成り立っています。その背骨はバネのように、前後左右斜めと自在に、動きます。

上半身を倒したり、後ろに反らしたり、横に曲げたり、ぐるりと回旋させたり、まさに自由自在です。そして知られてはいませんが、背骨には、伸び縮みする動きもあるのです。これは普通の生活をしていても、無理な動作です。皆さんは背骨を伸ばすことはできますでしょうか。

背筋を伸ばすのとは違います。それは所詮、背骨をS型カーブに曲げたり反らしたりしているだけです。物理的に、背骨が伸びているわけではありません。わたしたちは、自分では背骨を伸ばすことはできないのです。しかしなぜか、背骨には伸びたり縮んだりする動きが備わっているのです。

これは、外部の力でひっぱるしかできない動きです。しかし自分で唯一できる方法があります。ぶら下がることです。ぶら下がることで、背骨が物理的に伸びることが確認されているのです。すると、背骨の柔軟性が回復し、24個の背骨の間にあるクッション(椎間板)がつぶれる疾病になりにくくなると期待されます。腰痛などはその1つです。まさに、健康法ですね。

脇の下の伸び

背骨以外に伸びを感じた部分は、脇の下ではないでしょうか。その脇の下が伸びた感じは、正確にいうと、広背筋という筋肉が伸びていたのです。広背筋は、腰から背中下半分と、二の腕をつなぐ筋肉です。背中の筋肉は、主にこの広背筋と、その上に位置する僧帽筋を指します。

この広背筋が伸びると、どんなメリットがあるのでしょうか。姿勢が悪い人の猫背改善になるのです。猫背の大きな原因は、この広背筋が短縮しているためなので、ぶら下がって広背筋を伸ばすと、猫背矯正に効くことが期待出来るのです。また、肩甲骨近辺の筋肉も伸びますから、肩こりにも効く可能性があります。

懸垂のときと同じように、ぶら下がりも、足をついていて良いです。負担のない形からはじめましょう。

執筆者 痩田筋男について

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